弓道との出会いは高校の部活動。
中学校は水泳部に入ったけど、夏しか活動しない半分帰宅部状態だったから何かもっと真剣になれるものないかなといろいろ部活紹介を見て回った・・・多分新入生向けに体育館で何か部活紹介をしたと思う。そこで初めて目にした弓道という武道・・・剣道、柔道とはぜんぜん違う・・・かなりかっこよく見えた。
今思えば、高校時代勉強などしないで弓道に没頭していた。高校の成績なんかほんとびっくりするぐらい悪い。毎日弓道を結構遅くまでやっていたなぁと今でも思う。一度一日100射したいと朝練、昼、夕方とやったことがあった。あの時は先輩に「ばかか。射形崩れるぞ」と言われた。まぁそんな練習の成果もあり、高校代表で団体戦に出たりいろいろいい経験をさせてもらったと思う。
高校卒業後弓道との出会いはあまりチャンスがなく続けられず、そんな中アメリカに渡米し弓道とは縁のないようなところへ来てしまった・・・
「まぁいつかまたやるチャンスがあったらやりたいなぁ・・・」そんな程度に思っていた。
大学卒業後就職をインディアナ州でしたが、最初の1年半は本当に地獄のような日々だった。精神的に不安定になり、自分でどうしたらいいかわからなくなった時期が長期にわたり私を襲った。今思うとすごく大変だったと思うんだけど、あの経験があって物事いろいろ違う角度から見えるようになったしかなり自分は変わったと思う。自分でその暗黙の道をさまよっていた。そんな時期に日本食を売っているA1というスーパーで掲示板に貼っていた一枚のチラシを見た。
「Kyudo」
自分の目を疑った。だって弓道がアメリカでできるわけないじゃん。道場も必要だし、弓、矢、かけ(弓を引っ張るグローブみたいなもの)、いろんなものが必要。日本でしか手に入らない。
剣道や柔道はアメリカでもできる。でも弓道は・・・
その場でペンを借りてサイトのアドレスを書き、そのまま家にダッシュ。ネットでサイトを見た。道場もある。先生もいる。行かなければと思った。早速インディアナ弓道連盟(日本弓道連盟に認可を受けている)会長にコンタクトを取って道場に見学に行った。
学校を卒業し会社という新しい世界に入り、社会人一年生という立場になった。社会人一年生を父は「小学校一年生と一緒。わからなくてあたりまえだからあまり無理しないように」といった言葉を思い出す。でも年は24才。いろんな経験はしてきたつもりでも、やっぱり社会人一年生は何もわからずいろんなことが精神的に自分を追い詰め不安定になり、家にこもりがちになり気分転換もうまくできなかった。だから弓道を始めたことによってかなりこの暗黙の道から山を登り始めたという感じ今は思う。
弓道場に行くと日本にいるかのように感じる。弓道場の感じもそうだが先生のご自宅は本当に日本を感じさせるものがある。行き始めた弓道場に行く度に私は何か救われたと思うことがあった。先生は本当に親切に、時には厳しく指導され、生徒のほとんどはアメリカ人だが彼らもその厳しい先生について弓道をする。
2005初射会の模様(画像がわるいですが・・・)
弓道を通していろんな人の出会い、そして武道という日本に触れる機会にアメリカで出会えて本当によかったと思う。
インディアナ弓道連盟のサイト↓(英語のみ)
http://www.indianakyudorenmei.org/